その①:他社と事務所の入口を共有する場合

「来客目線で誤解が生まれない」環境が整っていれば、他社と入口を共有することは可能。
(照会先:関東地方整備局 不明 2015年11月照会)

【想定される質問】
グループ名会社と入口を共有しており、その入口に複数社の業者票を掲げたい。

【SGの回答】
・一般の消費者の方からの「分かりやすさ」と「情報管理」について、気を付けてほしい。一般の消費者の方からの「分かりやすさ」については、
例えば、どの会社がどのライセンスを取得しているか(どの業者票がどの会社のものなのか)分かりやすいように、会社ごとに業者票等をまとめて掲示したり、業者票の大きさやフォント等が大きく異ならないように統一したり・・・等。

・「情報管理」については、通常受付は一時的な来客対応窓口として使用するところ、例えば、グループ会社の他社社員がいる受付付近で、顧客の情報等を扱ったり、機密情報を扱った執務を行ったり、不適切な使用方法にならないよう注意してほしい。(グループ会社とはいえ「別会社」になるため)

・ちなみに、「同じビル内の階数移転」の場合、日ごろ使っているもので、階数まで表示しているものがあれば、そちらも変更する必要があるため要注意。

例)従業者証明書/社員証/名刺/メールなどの署名
各種契約書/各種帳簿類/会社ホームページ 等

その②:他社との間仕切りを可動式の壁(スライディングウォールやロールスクリーン)にしたい場合

固定式の壁でないとNGだが、スライディングウォール沿いにロッカー(可動式でないもの。高さ制限なし。)を並べて、開かないようにする事が可能であれば、完全な間仕切り壁でなくても可能。
(照会先:関東地方整備局 マツザキ氏 2017年12月照会)

【想定される質問】
移転先の事務所は他グループ会社も入っているテナントだが、
他グループ会社との間仕切りはスライディングウォールになっている。完全な間仕切り壁にする必要はあるか。

【SGの回答】
・そもそも、では、一つの事務所を他の法人等と使用している場合の要件として、
「両社間に、高さ180㎝以上のパーテーションなど固定式の間仕切りがあり相互に独立していること」がある。
(東京都の手引き http://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.jp/sinsei/takken_menkyo02.pdf ) 

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・「固定式」とは、「動かそうと思っても動かせない状態」で、左右の可動性、ロールスクリーンのような上下の可動性のあるものは、NG。
※間仕切りの上部(180㎝以上)が空いているパーテーション等であっても、床に固定がされていて、
「動かそうと思っても動かせない状態」の維持が必要とのことです。
 
・また、透明ガラスなど、となりの事務所が見えるような壁はNG。
 
・ただし、可動式のパーテーション沿いにロッカーを並べて開かないようにすれば、完全な間仕切り壁でなくても可能。
 

その③:同一フロアに同社の従たる事務所が2つある場合

間仕切り壁などの設置は不要だが、それぞれの事務所の範囲が明確に分かるよう、
机の島を分け、間に書棚や植木等を置いた上で、事務所名の掲示が必要。
(照会先:関東地方整備局 オオサト氏 2020年6月照会)

【想定される質問】
1フロアに弊社内の従たる事務所が2つあった場合、
その2事務所について、それぞれ下記のようなそれぞれ別の出入り口、
パーテーション・壁が必要になってくるという認識でよろしいでしょうか。
(同じ入口は共有できない、必ず間仕切りがあることが必須 等)

【SGの回答】
・関東地方整備局の見解+事務所名の掲示例(天井から「○○支店」という表示を吊り下げる/事務所名が記載されたプレートを置く 等)
 を伝える。

・固定電話は事務所ごとに必ず必要となる。

・なお、過去の事例として、机の島と島の間にパーテーションを設置し、
 「〇〇支店/〇〇支店」と記載したA4用紙を貼り付けるかたちで対応したこともある。

・ただし、1フロアに複数拠点を構えることは稀なため、平面図等をもとに事前相談をしたほうがいい。

その④:事務所が増床するが、増床部分は他社と共有する場合

共用部分の増床に関する届出は基本的には不要だが、
届出の必要性の有無を考える基準として、<御社を訪れる顧客に誤解を与えるか否か>で判断をしてほしい。

(照会先:関東地方整備局 オオサト氏 2021年2月照会)

【想定される質問】
事務所が増床することになったが、増床部分は「グループ会社との連携スペース」を使用目的としており、
グループ会社の社員も出入り可能な共用部分となる。この場合でも届出は必要か?

【SGの回答】
・例えば、<に関する契約を行う場合>は届出した方が良い例となる。
 宅で提出する事務所平面図は一般人がいつでも閲覧できるようになっており、契約する個人がクーリングオフの適用か否かを調べる際の確認に使用されることがある。
 そのため、上記に該当する場合は、誤解を生じさせないためにも届出は行ったほうが良いのではないか。
(共有部での契約がクーリングオフの対象になるか否かは図面ごとに役所へ照会)

・共用部分で行うことのできる行為・できない行為は特に規定されていない。
 セミナーや相談会などで共有部分を使用することに関しては、関東地方整備もよくあるケースとして認識しており、
 このような行為を共有部分で行うからと言って、増床の届出を強要することは無いというのが関東地方整備局の見解。

その⑤:ショールームを開設する場合、従たる事務所の届出は必要か

契約行為を行わない場合は、事務所の登録は必要ないが、
宅地建物取引業法施行規則第19条の1に定める標識の掲示が必要となる。

(照会先:関東地方整備局 クサズミ氏 2021年6月照会)

【想定される質問】
新しくショールームを開設し、土地情報の掲示や営業活動を行いたい。
その場合、事務所として届出が必要か。

【SGの回答】
・従たる事務所として登録が必要になる場合は<契約行為を行い>且つ<継続的に業務を行うことができる施設を有する場所>であるため、
 契約行為を行わない場合は、届出は不要となる。

・また、掲示すべき標識の「取り扱う宅地建物の内容」が特定できない場合は空欄で良い。(照会先:関東地方整備局 ヨシノ氏 2021年8月照会)

 

 

(投稿日:2022年8月23日)